新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

経済・企業 世界経済総予測2019

焦点・米長期金利 上昇圧力の陰に潜む「意図せざる」引き締め懸念=斎藤満

株価の急落する可能性もある(ニューヨーク証券取引所) Bloomberg
株価の急落する可能性もある(ニューヨーク証券取引所) Bloomberg

 2018年は、米国の長期金利(米10年国債利回り)がさまざまな形で米国企業の株価に大きな影響を与えた。年初に長期金利が3%付近まで上昇し、米国のみならず、世界の株価を不安定化させた。4月には長期金利が3%を大きく超える場面で株価を圧迫してきた。

 一方、直近では長期金利の低下が株価の乱高下を引き起こした。18年11月、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長のハト派的な発言を「金融引き締めの終わり」と受け取った市場で安心感が広がり、(1)長期金利の低下→(2)金利高不安の後退→(3)株価の反発──を招いた。

だが、12月初旬に長期金利が3%を割り込み、2年債と5年債の金利が逆転すると、今度は「逆イールド(長短金利の逆転)は、景気後退の前兆」との不安が広がり、株価が急落した(図1)。今後さらに長期金利が低下して短期金利と逆転すれば、景気後退懸念が高まって一段の株価調整につながるリスクがある。米長期金利が、上昇と低下の両方で市場の不安要素になりつつある。

残り2006文字(全文2438文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事