週刊エコノミスト Online 2040年の社会保障を考える
改革先送りなら消費税率32%も 求められる中長期ビジョン=小黒一正/31
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政府は2018年12月21日に閣議決定を行い、国の19年度予算案(一般会計・当初予算)を決定した。19年度の当初予算案の歳出総額は約101.5兆円となり、過去最大であった18年度の約97.8兆円(当初予算)を約4兆円も上回った。
当初予算で歳出総額が4兆円も膨らんだ主な理由は、(1)19年度10月に予定する消費税率引き上げに向けた対策(約2.2兆円)、(2)社会保障関係費の実質的な伸び(4768億円)や、(3)増税に伴う社会保障の充実等(4808億円)である。
このうち(2)は、社会保障関係費の自然増が約6000億円と見込まれるなか、「経済財政運営と改革の基本方針2018」に定められた「新経済・財政再生計画」(社会保障関係費の伸びを「高齢化による増加分(18年度は4800億円程度)に収める」という方針)に基づき、薬価引き下げや歳出抑制努力で実質的な伸びをその範囲内に抑制したものである。
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