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予防医療で「医療費抑制」は誤り 「社会保障の産業化」も夢想=二木立/32

 昨年9月以降、安倍晋三首相・経済産業省主導で「全世代型社会保障」の「予防医療」への焦点化が進んでいる。首相の意向に一番忠実なのは財界出身者からなる経済財政諮問会議の民間議員で、昨年11月20日の同会議で2019年度予算編成に向けて推進すべき事項のトップに、「特定健診・特定保健指導事業(いわゆるメタボ健診とその改善)の医師会モデル」の全国展開、「官民を挙げて取り組む認知症予防の重点プロジェクト」と「社会保障サービスにおける産業化」をあげた。

 私も予防医療(介護予防を含む。以下同)を重視し、健康寿命延伸を目指すことは、それが国民への強制・ペナルティーを伴わない限り、賛成だ。しかし、それにより、医療・介護費を抑制でき、しかも、「社会保障サービスの産業化」ができるとの主張は、医療経済・政策学的に見て誤りである。以下、その理由を述べる。実は、このことは経産省と厚生労働省の文書からも確認できる。

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