政府、企業、市民の連携進む 腐敗と闘う国際的潮流に学べ=北島純
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2018年は、日本企業と腐敗がクローズアップされた年だった。自動車やゴム部品の検査不正のように製造工程における腐敗もあったが、注目されたのは金をめぐる企業の腐敗だ。
11月に摘発された日産自動車のカルロス・ゴーン前会長事件は、金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)の罪および通貨取引のスワップ契約付け替えにかかわる特別背任罪の公判・捜査が現在も継続中だが、焦点となっている容疑を一言で言えば、ゴーン前会長の報酬にかかわる会計支出の腐敗だ。
また、4月に米政府に罰金310億円を払うことで決着したパナソニック子会社によるFCPA(米国海外腐敗行為防止法)違反事件や、7月に東京地検特捜部に立件され司法取引の適用第1号となった三菱日立パワーシステムズの不正競争防止法違反事件はともに、中東やタイなどでの海外ビジネスにおける外国公務員贈賄事件だ。いずれも賄賂の原資となる資金の決済段階で会計コンプライアンスが機能しなかったことによる腐敗だったと…
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週刊エコノミスト
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