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増える学童保育の待機児童 予算は保育園の16分の1=本山勝寛

日本財団が運営する「第三の居場所」
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 全国学童保育連絡協議会は2018年10月、共働きやひとり親家庭の小学生が放課後を過ごす放課後児童クラブ(学童保育)の待機児童が5月1日時点で少なくとも1万6957人に上ると発表した(図1)。調査を始めた09年以降で最多だ。

約1万7000人が待機

 民間による自治体アンケート方式の調査で、把握していない自治体も1割近くあるため、実際はより多いことが予測される。厚生労働省によると、全国の放課後児童クラブは17年5月現在で2万4573カ所、登録児童数は117万人に上る。その数は毎年増加し続け、15年前と比してほぼ倍増している。しかし、学童の待機児童問題は、ニーズの高まりに比べるとこれまであまり注目されてこなかった。

 保育園の待機児童は大きな社会問題として注目を浴び、その対策には、政府も地方自治体も予算をつけて本格的な対策に乗り出している。国の保育対策関係予算は1兆1495億円(17年度)に上る。厚労省がまとめた18年4月1日時点の保育園の待機児童数は前年から6186人減って1万9895人となった。待機児童数で比べると、保育園と放課後児童クラブはほぼ同程度である。それにもかかわらず、国の放課後児童クラブ関係予…

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