米金利 下落 3%超えは定着できず 年末に2.5%近傍へ=井上健太
有料記事
2018年末~19年初の相場急変を見て、米国の「高成長」は実体にあらず、と市場が再認識せざるを得ないときが来た。米10年債利回り(長期金利)は潜在成長率(1.5%)、均衡インフレ率(1.5%)を足して「3%」が米国経済の実力と整合的な適正値だ。
今後、(1)米連邦準備制度理事会(FRB)は19年利上げなし、(2)バランスシート圧縮ペースの減速へとかじを切り、金利上昇材料は消えていく。一方、(3)株価が下げ止まらず焦るトランプ政権が米中関税協議の早期終結へ(合意期限切れの3月初までに)動く事態も想定できる。
いずれの材料もリスク資産にプラス要因、下げ過ぎた株価は反発へ。債券は株高を受けて連れ安し(金利上昇)、春先に向け、一旦長期金利は3%近傍へ再浮上する局面があっても不思議はない。ただし、不用意な利上げ再開は株安再来の引き金を引くリスクあり。利上げ休止継続、エネルギー安を受けたインフレ鈍化で長期金利の上昇材料が消滅する環境下で、3%超えは定着できずに政策金利へ向けて再低下。19年末にかけてイールドカ…
残り231文字(全文687文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める