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週刊エコノミスト Online 2040年の社会保障を考える

「住まい」を社会保障の柱に 持ち家重視政策から転換を=小黒一正/34

 前回(第31回、1月29日号)では、抜本的な社会保障改革を先送りすれば、消費税率が2060年度に32%まで上昇する可能性を指摘した。今回は、社会保障と住宅政策のあり方について語りたい。周知の通り、日本の総人口は今後100年間で急激に減少し、2080年ごろには10年と比較して人口が半減することが見込まれている。しかも、国立社会保障・人口問題研究所の「将来人口推計」(平成29年版、出生中位・死亡中位)によると、人口減少のスピードは今後勢いを増していく。17年の人口減少率は年率0.24%に過ぎないが、25年は0.50%、40年は0.79%、60年には1%となる。

 地域別にみると、人口減少のスピードは人口規模が小さい地域ほど加速度的に速い。例えば、国土交通省が14年7月に公表した「国土のグランドデザイン2050~対流促進型国土の形成~」では、50年の人口が10年と比較して半分以下となる地点(全国を「1平方キロメートルごとの地点」で見る)が、現在の居住地域の6割以上を占めることを明らかにした。

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