教養・歴史書評

理念と理念の分裂から人と人が対話する時代へ=ブレイディみかこ

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     英国で、ベネディクト・カンバーバッチ主演の『Brexit :The Uncivil War』というドラマが放送された。EU(欧州連合)離脱の国民投票前に繰り広げられた離脱派と残留派のPR戦の内幕を描く作品だ。これを見て考えたのは、情報戦における「言葉」の役割だ。残留派は事実を示すデータやエビデンス(証拠・裏付け)に重点を置いたが、離脱派は人々の深層心理にこびりつく、彼らの人生の物語を代弁できるスローガンを練りに練った。

     A・R・ホックシールドが、『壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き』(岩波書店、2900円)で「ディープストーリー」と呼んだもののことを思い出した。それは必ずしも真実ではなく、「あたかもそのように感じられる」物語であり、シンボルという言語を使って感情が語る物語のことだ。

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