教養・歴史書評

『経済に「国」はいらない ジェイン・ジェイコブズを読む』 評者・服部茂幸

著者 塩沢由典(大阪市立大学名誉教授) 編集グループSURE 2700円

国ではなく都市を単位に成長と政策を考える

 ジェイン・ジェイコブズは自動車中心の画一的な近代都市計画を批判し、多様性が都市の活力を生むと論じた米国の運動家、作家である。経済や経済政策を考える時、暗黙であっても国を単位にするのが普通であるが、ジェイコブズの思想を手がかりに、都市を単位に経済成長や経済政策を考えるのが本書である。

 本書は経済成長を考える時に、国内総生産(GDP)中心、大産業中心、政治家・官僚のみが政策の主体という思考法を批判する。例えば、かつてはリゾート法の下、画一的な補助金のために、多くの自治体が同じようなリゾート開発を行い、つぶし合ったことを挙げる。また現在の大学改革は、官庁の官僚が3年で交替するために、政策に継続性がない。こうして国の政策は失敗に終わる。

残り814文字(全文1189文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

2月14日号

どうする?どうなる?日銀大検証16 岸田政権「インフレ抑制」へ 10年ぶり総裁交代で緩和修正 ■浜田 健太郎19 インタビュー 軽部謙介 帝京大学教授・ジャーナリスト 日銀が甘くみた内閣の力 「安倍1強」に内部ひょう変21 「 ガラパゴス」日銀 市場機能をマヒさせた「看守」 低金利慣れの財政に大打撃 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事