『アントフィナンシャル 1匹のアリがつくる新金融エコシステム』 評者・白井さゆり
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著者 廉薇(リェンウェイ)(中国金融40人論壇編集部主任)/辺慧(ビェンホイ)(中国金融40人論壇ニューメディア責任者)/蘇向輝(スーシアンホイ)(北方新金融研究院編集者)/曹鵬程(ツァオポンチョン)(中国金融40人論壇編集者) 訳者 永井麻生子 みすず書房 3200円
技術力で経済活動を変革 新興「テックフィン企業」
近年、独自の経済発展モデルを志向する中国に対して、米国から厳しい目が向けられている。ブランド品模造など知的財産権侵害や国有企業への補助金支給と過剰生産、および「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)計画によって途上国に債務の過剰累積などの弊害をもたらしているとの米国の見方に対し、日欧など他の先進国でも共感の声が根強い。
しかし、最近ではそうした中国異質論を超えて、想像を超えるスピードで進む金融革新と社会の構造変化に衝撃を覚え、そこから学びたいとする先進国の企業・個人も増えている。わずか15年程度の短期間に中国の若者たちがゼロから始めた多数のハイテク企業は、既存の金融業界が相手にしなかった零細企業や低所得者層に門戸を広げる。決済、資産運用、保険、信用調査などの金融サービスを提供し、公共料金の支払い、病院・映画館・…
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週刊エコノミスト
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