新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

教養・歴史 書評

『アントフィナンシャル 1匹のアリがつくる新金融エコシステム』 評者・白井さゆり

著者 廉薇(リェンウェイ)(中国金融40人論壇編集部主任)/辺慧(ビェンホイ)(中国金融40人論壇ニューメディア責任者)/蘇向輝(スーシアンホイ)(北方新金融研究院編集者)/曹鵬程(ツァオポンチョン)(中国金融40人論壇編集者) 訳者 永井麻生子 みすず書房 3200円

技術力で経済活動を変革 新興「テックフィン企業」

 近年、独自の経済発展モデルを志向する中国に対して、米国から厳しい目が向けられている。ブランド品模造など知的財産権侵害や国有企業への補助金支給と過剰生産、および「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)計画によって途上国に債務の過剰累積などの弊害をもたらしているとの米国の見方に対し、日欧など他の先進国でも共感の声が根強い。

 しかし、最近ではそうした中国異質論を超えて、想像を超えるスピードで進む金融革新と社会の構造変化に衝撃を覚え、そこから学びたいとする先進国の企業・個人も増えている。わずか15年程度の短期間に中国の若者たちがゼロから始めた多数のハイテク企業は、既存の金融業界が相手にしなかった零細企業や低所得者層に門戸を広げる。決済、資産運用、保険、信用調査などの金融サービスを提供し、公共料金の支払い、病院・映画館・…

残り757文字(全文1289文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事