「親元で育った天皇」が即位する意味=片山杜秀
有料記事
大正天皇の父はもちろん明治天皇。が、生母は皇后ではない。
明治天皇は子だくさんだった。ただし、皇后の産んだ子供はひとりもいない。産みの母はみな典侍たち。典侍は宮中の高級女官のことだが、明治天皇の場合は、彼女らが側室にもなった。
しかし、明治維新からの日本は、近代西洋型の文明国を目指していた。国民には一夫一妻制しか認めない。そのうえ、明治政府は国民に家族国家観を説いた。天皇が父で国民は子供だと教育した。
それなのに、皇室と国民の家族のありようが食い違っている! 側室の子の大正天皇は、この矛盾を過剰に意識した。一夫一妻を貫き、子の昭和天皇も父に倣った。
残り343文字(全文622文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める