「早期警戒制度」で地銀の懐に手を突っ込んだ金融庁=浪川攻/16
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金融庁が4月3日に見直し改正案を発表した地域金融機関の「早期警戒制度」は従来、足元の基本的な収益指標に基づいて、収益性の改善が必要と認められる銀行にヒアリングを通じた改善努力を促していくものだった。経営環境が横ばいか上向いている局面では十分なアプローチだった。しかし、地域金融機関を取り巻くマクロ環境はそうではない。
地域ごとに程度の差はあるが、人口・事業所数の減少が続き、経済規模が縮小傾向にある。預貸業務を主軸に置いた伝統的なビジネスモデルは経済規模の縮小によるマイナス影響とともに、不毛な金利競争の激化によって収益率も落ち込み続けている。今回の金融庁の「見直し措置」は、老朽化したビジネスモデルを変えないまま、今後も走り続けると、どれほどのダメージが経営に及ぶのかという問題を問うアプローチと言える。
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週刊エコノミスト
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