ITバブルの過去が暗示する米国株「棒上げ」
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米国株が異様な強さを見せている。昨年末に底打ちしてから上昇を続け、ナスダック指数などは史上最高値まであと一息の水準にまで戻してきた。この間、米ドルも他通貨に対して若干上昇しているので、通貨込みで見ればその強さが一層際立つ。円ベースで見た今年第1四半期(1~3月)の株価は、米S&P500株価指数の上昇率が14%を超え、日本のTOPIX(6・5%)や独DAX指数(8%)は遠く及ばない。
一方、米国の実体経済は必ずしも好調とは言い切れない。米経済指標の発表値と事前の市場予想との乖離(かいり)の度合いを米シティグループが指数化した「エコノミックサプライズ指数」は今年2月以降、急速に低下し、経済指標が市場予想に届かない状況が続いている。さらに、今年3月下旬には米長期金利(10年)が短期金利(3カ月)を下回る「逆イールド」が11年半ぶりに発生し、景気後退の予兆とも目されている。これはい…
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週刊エコノミスト
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