FRBが「景気判断を弱めた」ナゾを解く
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米連邦準備制度理事会(FRB)の景気認識が急速に悪化した。パウエルFRB議長は昨年末あたりから、緩和的な金融政策を採る“ハト派”に転換したが、市場では当初、任命主のトランプ大統領のFRB批判をかわすためとか、株式市場の不安定化に配慮したため、との見方が多かった。しかし、このところのFOMC(米連邦公開市場委員会)の議論を見ると、FRB自身の景気認識が急速に慎重化していることが分かる。
FRBの景気認識は、昨年末以降も中国と欧州景気の悪化や金融市場の不安定化に対する懸念が中心で、米国経済についてはいたって強気だった。ところが、今年3月のFOMCでは、米国の成長率自体を下方修正し、20、21年は2%を下回る成長との見通しを示した。また、年内の利上げ見通しは0回へと下がり、量的引き締めに当たるFRB資産の圧縮も、規模を縮小したうえで今年9月には終了するという変貌ぶりだ。
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週刊エコノミスト
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