週刊エコノミスト Onlineワイドインタビュー問答有用

「東京五輪で選手にメダルを獲得する自信を」=トム・ホーバス バスケットボール女子日本代表ヘッドコーチ/741

     2020年東京五輪でメダルに近い球技の一つと言われるのが、女子バスケットボールだ。けん引役となるのは、女子日本代表で初の外国人ヘッドコーチ(HC)、トム・ホーバス氏。「チャレンジング・トム」の異名を取る米国人指揮官に、指導にかける思いを聞いた。

    (聞き手=元川悦子・ライター)

    ホーバス 1次ラウンド初戦でスペインに黒星から入り、続くベルギーとプエルトリコに競り勝って、我々は準々決勝に進みました。相手の中国とは過去10回対戦して6~7回は勝っていた。日本のバスケットを40分間やれば勝てるはずでした。が、あの日に限っては、持てるすべての力を出し切るという部分が足りなかった。女子日本代表は試合が少ない分、輝ける舞台はわずか。限られた中で力を出さないといけません。

    ホーバス 私が常日ごろから選手に言っているのは、「大会はみんなのパフォーマンスタイムだ」ということ。(米スポーツ用品大手)ナイキの米国版テレビCMで「RISE GRIND SHINE AGAIN」(起きる・練習・試合で輝く・もう1回)というメッセージが流れています。試合前にそれを選手に見せて「SHINEを忘れないで」と強調しました。限られた中で力を出す難しさを、乗り越えることが重要なんです。

    ホーバス 日本の選手は物事がうまく運ばないとすぐ「ダメじゃないか」とネガティブになりがち。新たなチャレンジが楽しく前向きであることを伝えたいですね。日本の女子は世界的に見ても練習時間が長いし、内容的にもハードだけど、選手は黙々とトレーニングに臨む。その一生懸命さは日本の大きな武器なんです。それだけ練習を積んでいるのに、肝心の試合で自信を失いがちです。

     昨年のW杯でも3ポイントシュートのスペシャリストである本橋菜子選手(東京羽田ヴィッキーズ)が、スペイン戦とベルギー戦で1本も打たなかった。「なぜ自分の力を出し切れないのか。あなたの3ポイントは必ず入る。それが必要だから使っている」と口を酸っぱくして言ったところ、プエルトリコ戦と中国戦では決まるようになりました。日本人の慎重さは美徳ですが、慎重になりすぎるのは決していいことではない。それを深く理解…

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