週刊エコノミスト Onlineワイドインタビュー問答有用

「気持ちが通じ合う瞬間こそ、ジャズは最高」ライブハウス経営40年=幸田稔・ジャズスポット「J」店主/742

     東京・新宿のジャズスポット「J」が昨年、オーナーの幸田稔さんが経営を担って40周年を迎えた。昔も今も変わらないジャズの魅力とは。

    (聞き手=大宮知信・ジャーナリスト)

    幸田 北は青森から南は鹿児島まで、全国から三百数十人が駆けつけてくれました。タモリの即興スキャット(意味のない音でメロディーを歌うこと)が大受けに受けて、主役の座を奪っちゃった。曲目はお得意の「デタラメ・ブルース」です。みなさんがタモリのスキャットボーカルを見ようと、ステージ前は黒山の人だかり。後方の人はステージが見えなくなってしまいました。

    幸田 彼は学生時代、早稲田のモダンジャズ研究会(通称、ダンモ研)に所属してトランペットを吹いていたんです。ダンモ研の仲間には「マイルス(デイビス)のトランペットは泣いているが、お前のラッパは笑っている」と言われたことでも、実力は分かると思いますが(笑)。その代わり、口は達者だったので、コンサートなどで司会をやってました。それに彼は実は「J」の取締役宣伝部長なんです。

    幸田 毎日違うバンドが出演して、熱いライブを展開しています。開業以来、ジャズのライブを年間300回、40年間で1万2000回ということになりますが、よくここまでやってこられたなと、われながら感心します。もちろんお酒もいろいろあるし、食事もできます。名物は分厚い手作りピザ、特に餅と明太子入りのピザは大好評ですよ。

    幸田 「ルパン三世」の音楽で有名なピアノの大野雄二さんは、毎月レギュラー出演してます。毎回大入り満員です。グラミー賞を2度受賞したアルトサックスの佐藤洋祐さん、初代山下洋輔トリオのメンバーで、タモリとも親しいテナーサックスの中村誠一さんら、日本を代表するミュージシャンが多数出演しています。私も「バードマン幸田」として、飛び入り演奏することがあります。

    幸田 一つ下の後輩に吉田忠興というのがいて、もう死んじゃったんだけど、彼に「いい店があるよ」と誘われて客として来ていました。いい雰囲気の店だったし、演奏しているミュージシャンもすばらしい人たちだったので、20代後半ぐらいから通うようになったんです。

     ところが、初代オーナーのジミー金澤氏が九州旅行の際に海の事故で急死して、奥さんが後継者を探していた。そこで僕が店主として名乗り出たわけです。やりたい人は他にもいたんですが、「早稲田OBだからきちっとやってくれるのでは」と話が決まったのです。

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