週刊エコノミスト Online2040年の社会保障を考える

予防医療で医療費は削減できない=康永秀生

    非喫煙者は寿命が長い分、高齢時の医療費が高くなる
    非喫煙者は寿命が長い分、高齢時の医療費が高くなる

     予防医療とは、病気の発生を防いだり、病気を早期発見・治療することにより、病気による障害や早期の死亡を減らす医療である。禁煙対策、メタボリックシンドローム(メタボ)健診、がん検診などが含まれる。健康寿命を延ばすために、予防医療は不可欠である。国や自治体は予防医療をさらに推進しなければならない。

     ところで、予防医療によって疾患の発生や重症化が抑制されれば、結果的に「医療費の削減につながる」という誤った説が一般には受け入れられているようである。かつて政府は、高騰する国民医療費を削減する手段として、予防医療の推進をスローガンに掲げたことがある。

     2006年に厚生労働省は、メタボ健診によって25年には約2兆円の医療費を削減する、という目標を掲げた。根拠のない数値目標の設定に意味はない。19年に至って、その目標はすでに忘れ去られた感がある。

    残り2502文字(全文2872文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    12月8日号

    もうかるEV(電気自動車)、電池、モーター14 「電動化」が業績・株価を左右 「次の勝者」探しも活発化 ■神崎 修一/桑子 かつ代/斎藤 信世16 巨人の焦り トヨタから「自動車」が消える日 ■井上 久男18 自動車部品 日本電産が台風の目に ■遠藤 功治20 図解 EV用電池「国盗り物語」 ■編集 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事