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米国の過剰債務が逆回転する時=藤代宏一

    図1 米企業の債務残高GDP比率は景気後退前の水準を超えた
    図1 米企業の債務残高GDP比率は景気後退前の水準を超えた

     米連邦準備制度理事会(FRB)や国際通貨基金(IMF)が、米国のレバレッジド・ローン拡大と、社債市場において投資適格(IG)中、信用力が最も低いBBB格債の発行増加に懸念を示している。

     まず、レバレッジド・ローンとは何か。簡単にいえば、信用力の劣る企業向けの貸し出しで、主な借り手は格付けが「投機的」であるBB格以下で社債が発行できない企業だ。IMFによれば、残高は2018年末時点で1.2兆ドル程度とこの10年で約2倍に膨れ上がっており、今やその規模はハイ・イールド債(信用力が低い代わりに高利回りの債券)市場に迫る。

     拡大の背景にあるのはローン債権を証券化し、それらを束にして転売するCLO(ローン担保証券)というスキームだ。このCLOが金利に飢えた機関投資家の旺盛な需要を集め、CLOを介して拡散したローンが約0.6兆ドルにも達しているという。これが逆回転、つまり、ローンが焦げ付く動きが出始めれば、金融市場の混乱は不可避だ。

     また、社債市場におけるBBB格債の発行増加も懸念材料に挙げられている。BBB格は投資適格の中で最もリスクとリターンが高い存在であるから、許容できるリスクの範囲内で最大限の利回りを確保したい投資家の支持を集めている。IMFはIG債発行に占めるBBB格債の割合が50%程度まで増加していることを示したうえで、何らかの理由で景気が悪化した場合、格下げによってこれら債券がBB以下の「投機的」に転落すること…

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