「官房長官は執権もどき」説=片山杜秀
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菅義偉官房長官が次期首相の有力候補。そんな予測をよく耳にするようになった。顧みれば、佐藤栄作も竹下登も官房長官を務めた。官房長官は総理への里程標。そうとも言える。
だが、官房長官という役職名は同じでも、今と昔では中身がかなり違うだろう。
冷戦構造崩壊後、日本の政治は、保革政党間や、タテ割りのきつい省庁間の調整に重きを置くいき方から脱しようとした。調整型の政治は「決められない政治」でダメという理屈である。
脱して向かう先は、もちろん「決められる政治」。決めるのは総理大臣だろう。要するに、日本の政治は米国大統領のまねがしたかった。首相官邸主導の政治が理想とされた。特に橋本龍太郎内閣や小泉純一郎内閣の時代に改革が進んだ。
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週刊エコノミスト
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