経済政策の「規律」を忘れた日本に未来はあるか
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長期政権の要諦の一つは、野党の政策を奪うことだ。ビジネス重視を打ち出した英労働党のブレア政権や、伝統的に保護主義的な民主党のお株を奪う米トランプ政権の例が思い浮かぶ。アイデアを政府に実行されてしまうと、野党は政権との差を強調するため、ますます極端な主張に走るようになって一般有権者の支持を失っていく。
安倍1強の背景にもそういう要素があろう。安全保障面ではタカ派かもしれないが、国内政策ではハト派の傾向が強い。デフレ脱却優先という旗印はあるにせよ、財政再建や社会保障改革を事実上棚上げして大きな政府(いわゆるバラマキ)を志向し、経営者に賃上げを正面から要請する一方で外国人労働者を受け入れ、三本目の矢である構造改革・規制改革(それは必然的に失業をもたらす)にはそれほど本腰を入れない姿は、中道左派政権…
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週刊エコノミスト
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