情報に踊らされるな=新見正則・帝京大学医学部外科准教授/744
有料記事
生きることは簡単ではない。ストレスに押しつぶされそうにもなる。そんな現代社会で、幸せに長生きするための考え方を、医師の立場から説き続ける新見さん。自身もまた、そうした考え方を実践している。
(聞き手=冨安京子・ジャーナリスト)
── ちまたには健康に関する情報があふれていますが、メディアなどで「情報に踊らされるな」と積極的に発信しています。
新見 医学の分野でも、まだ完全にエビデンス(証拠・根拠)が確立されているわけではありませんからね。例えば血圧値しかり。血圧値が上がると多くの人はそれだけで不安になりますが、実は上の値は心臓の収縮期の数値で、ウンチをしてもセックスをしても、運動とともに上昇するのが当たり前、運動をやめたら速やかに下降すれば何の問題もありません。
けれど、下の値(拡張期の値)が高いのは要注意です。車で言えば、停車中なのにエンジンの回転数が下がらない状態なので、これは治療が必要になってきます。情報に対して正しい知識を持ち、そのうえで的確な判断をしないと、情報に振り回されてしまいますよ。
残り4070文字(全文4523文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める