“狙い撃ち”で薬価抑制 対象は市場100億円以上の新薬 医療費増大の歯止めになるのか=前田雄樹
有料記事
病院などで処方される医薬品の価格に費用対効果を反映させる制度が、4月から始まった。がん免疫療法薬「オプジーボ」など高額な薬剤が相次いで登場する中、コストパフォーマンスの悪い医薬品の価格を引き下げることで医療費の増大に少しでも歯止めをかける狙いだ。
この制度では、完全に健康な状態で寿命を1年延ばすためにかかる医薬品の費用が、ほかの治療と比べてどれだけ高いかを試算して、費用対効果を評価する。1年延命するのに追加で500万円以上かかる場合は薬価(医薬品の公定価格)引き下げの対象となり、750万円以上、1000万円以上で段階的に引き下げ幅が大きくなる。引き下げ幅は最大で15%。費用が安くなる場合は逆に薬価が引き上げられることもある。
費用対効果の評価には原則として、「QALY」(質調整生存年)と「ICER」(増分費用効果比)という二つの指標を用いる。
残り3218文字(全文3595文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める