週刊エコノミスト Onlineエコノミストリポート

山形「大沼」 老舗百貨店の私的整理が頓挫 銀行支援なき自主再建の過酷=後藤逸郎

自主再建を目指す大沼
自主再建を目指す大沼

「株式会社大沼は昨日、経営体制の抜本的な見直しを行いました」

 大沼の永瀬孝新社長は3月23日、山形市内で緊急会見を開き、自社のスポンサー企業である投資ファンド「マイルストーンターンアラウンドマネジメント(マイルストーン、早瀬恵三社長)」が保有していた大沼株をすべて取得し、経営陣を刷新したと発表した。

電撃クーデター

 1700年に創業者が身を起こし、百貨店を戦後始めた大沼は最盛期に県内で3店舗を展開した。だが、百貨店不況で収益が悪化し、前期まで6期連続赤字だった。

 このため、山形銀行をはじめとする地元金融機関は債権放棄などの私的整理で大沼の経営再建を目指し、マイルストーンは2017年12月に支援企業として名乗りを上げ、18年4月に2億円を大沼へ出資し、完全子会社とした(表)。

残り1920文字(全文2260文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事