山形「大沼」 老舗百貨店の私的整理が頓挫 銀行支援なき自主再建の過酷=後藤逸郎
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「株式会社大沼は昨日、経営体制の抜本的な見直しを行いました」
大沼の永瀬孝新社長は3月23日、山形市内で緊急会見を開き、自社のスポンサー企業である投資ファンド「マイルストーンターンアラウンドマネジメント(マイルストーン、早瀬恵三社長)」が保有していた大沼株をすべて取得し、経営陣を刷新したと発表した。
電撃クーデター
1700年に創業者が身を起こし、百貨店を戦後始めた大沼は最盛期に県内で3店舗を展開した。だが、百貨店不況で収益が悪化し、前期まで6期連続赤字だった。
このため、山形銀行をはじめとする地元金融機関は債権放棄などの私的整理で大沼の経営再建を目指し、マイルストーンは2017年12月に支援企業として名乗りを上げ、18年4月に2億円を大沼へ出資し、完全子会社とした(表)。
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週刊エコノミスト
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