キャッシュレス IT系攻勢で銀行「土管化」も モバイル決済参入は吉と出るか=矢作大祐
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消費増税や東京五輪・パラリンピックを控えて加速するキャッシュレス化は、日本の銀行に大きな試練を与えている。IT系企業が、スマートフォンで二次元コード(QRコード)などを読み取って決済するモバイル決済サービスで攻勢をかけているからだ。銀行は顧客接点を奪われて空洞化しかねず、危機感を強めている。
キャッシュレスの手段はこれまで、クレジットカードが主流だった。しかし、小規模店舗にとっては加盟店手数料の負担が大きく、導入は限定的だった。他方で、モバイル決済サービスを提供するIT系企業は、Eコマース(電子商取引)などの他事業で収益を上げることで、加盟店手数料を低く抑えられ、小規模店舗でも導入が進む可能性がある。また、蓄積した決済関連のデータを基に、マーケティングに活用したり、融資などの金融サービスを展開する企業もある。結果的に、加盟店手数料をクレジットカードの2~5%よりも低い0~1%程度に抑えたモバイル決済サービスも登場している(図1)。
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週刊エコノミスト
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