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特許 「いきなり!ステーキ」訴訟 「ビジネス手法」の発明 産業界で広がる特許利用=加島広基

「いきなり!ステーキ」では複数の特許を駆使した独自戦略を持つ(筆者撮影)
「いきなり!ステーキ」では複数の特許を駆使した独自戦略を持つ(筆者撮影)

 知的財産高等裁判所は2018年10月、飲食店「いきなり!ステーキ」のステーキ提供方法についての特許が有効であると判断した。立食形式のテーブルに客を案内し、ステーキの量を聞いて、調理して運ぶという流れの提供方法が「ビジネス関連特許」として認められたのである。

ICT利用が原則

 一般に特許と言えば、特定の製法や技術の発明に与えられるものを思い浮かべがちだ。これに対して、ビジネス関連特許は、ビジネス手法に係る発明(ビジネス関連発明)に与えられ、別名・ビジネスモデル特許とも呼ばれる。ビジネス関連特許に限らないが、特許として認められるためには発明が「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの(特許法第2条)」であることが必要とされる。例えば、ゲームのルールなどのように、人間が作った取り決めをビジネス関連発明として出願しても、特許とは認められない。

 また、特許庁では原則として、ビジネス関連発明がICT(情報通信技術)を利用して確立されたものであることを求めている(図1)。反復的に作業をこなすというICTの特性を、自然法則に準ずるものとみなしているためだ。ビジネス関連特許としては、例えば、給与を自動計算するシステムや、従業員の勤務ローテーションや有給休暇を管理するシステムなどが挙げられる。

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