独自入手!北朝鮮の「発展戦略」 苦しい経済データが赤裸々に=趙允英/米村耕一
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北朝鮮の国家戦略を詳細に記した極秘文書「国家経済発展戦略」(2016~20年)の全容が判明した。ふんだんに盛り込まれた未公開データから、北朝鮮の経済事情がこれまでに想定されていた以上に厳しいことが分かった。また、対外経済関係では「中国一辺倒」の脱出を戦略目標に掲げ、ロシアや東南アジアなどとの関係強化を苦境打開の切り札ととらえていた。今年2月の米朝首脳会談で制裁解除を執拗に迫り、対露、対東南アジア外交などに腐心する北朝鮮の今の動きとも重なっている。文書は趙允英が入手し、米村とともに分析した。
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は16年5月の第7次朝鮮労働党大会で、経済の現状が「相応の水準に達していない」と認めたうえで、「5カ年戦略の遂行期間に、党の新たな(核と経済の)並進路線を堅く握りしめ、人民経済の先行部門、基礎工業部門を正常軌道に乗せ、農業と軽工業生産を増加させ、人民生活を決定的に向上させなければならない」と演説した。今回入手した文書は14年から15年後半にかけて…
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