資源・エネルギーエコノミストリポート

米国の覇権 世界最大の産油国のしたたかなエネルギー戦略=阿部直哉

    米国のエネルギー戦略は安全保障と表裏一体だ(2017年1月、石油パイプライン建設の大統領令にサインしたトランプ大統領)(Bloomberg)
    米国のエネルギー戦略は安全保障と表裏一体だ(2017年1月、石油パイプライン建設の大統領令にサインしたトランプ大統領)(Bloomberg)

     米エネルギー情報局(EIA)が3月26日に公表した統計で、米国が2018年に世界最大の産油国になったことが判明した。EIAの月次報告書によれば、18年の米国の原油生産量は前年比17%増の日量1095万バレルとなり、ロシア(同1075万バレル)、サウジアラビア(同1042万バレル)を抑え、45年ぶりに世界首位に返り咲いた(図1)。シェールオイルが全生産量の約6割(日量635万バレル)を占めるなど、シェール革命が生産増に大きく寄与した。EIAは米国の原油生産が27年まで拡大が続き、ピーク時の生産は日量1400万バレルと予測する。

     シェールオイル・ガス開発事業が本格化し始めた00年代前半、米国ではフラッキング(水圧破砕工法)と呼ばれる技術力の向上により、原油・天然ガスの生産量が著しく増加するようになった(図2)。15年12月、オバマ政権(当時)は国家安全保障の観点から禁輸措置を続けてきた米国産原油の輸出解禁に踏み切った。

    残り2655文字(全文3069文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    6月7日号

    コロナ、市場急変… 強い弱い 地銀&メガ14 金利急騰で多額の含み損 晴れないコロナ後の視界 ■荒木 涼子/桐山 友一16 インタビュー 片岡達也 横浜銀行頭取 「返済始まるコロナ融資を注視 逆ざやの外債から損切り」2022年3月期 全99行ランキング ■編集部17 有価証券評価損益19 経費率(O [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    編集部からのおすすめ

    最新の注目記事