週刊エコノミスト Online2040年の社会保障を考える

公的年金の「財政検証」シナリオを問う=小黒一正

     日本の公的年金制度の最大の問題は、老後の防貧機能を堅持しつつ、年金財政の持続可能性を高めていくことにある。年金財政の健全性は、法律に基づき、年金財政の健康診断に相当する「財政検証」を少なくとも5年に1度実施することで確認する。前回の財政検証は2014年であり、19年は5年ぶりに財政検証を行う年だ。14年の財政検証では、経済成長率の方向性を決定づけるTFP(全要素生産性、潜在成長率に占める技術革新の寄与割合)上昇率のほか、名目運用利回りや実質賃金の伸び等の異なる条件で8ケース(ケースA~H)を検証している。

     政府は04年の年金改革で、約100年間、年金の所得代替率(現役男性の平均的な手取り収入に対するモデ…

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