スルガ銀との提携で浮上 新生銀と地銀の連携復活=浪川攻/18
有料記事
スルガ銀行が2018年度決算を発表した。一時、経営危機説が流布されて、預金流出騒ぎにも発展した。最近は「預金も安定し落ち着きを取り戻した」と金融庁関係者は言うが、先行きは不透明と言わざるを得ない。
決算発表と同時に公表された不正融資調査結果では投資用不動産の6割に「不適切融資」があったという実態が明らかにされた。だが、同銀行の総融資残高の約30%を占めたといったほうがその深刻さを語るにはふさわしいだろう。
スルガ銀の場合、過去に実行した通常の住宅ローンなどは、相対的には金利が高めに設定されていたため、貸し出し債権から得られる利息の収益寄与度は高い。ストック収益は地域銀行のなかでは強いと言えるだろう。だが、従来のローン戦略は臨界点を超えたわけで、先行きのビジョンは描きにくい。自己資本比率は国内基準を超えているものの、巨額の赤字決算によって自己資本を毀損(きそん)したこと自体はネガティブ材料である。
残り891文字(全文1295文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める