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行政デジタル改革は国民中心に 韓国に学ぶ利便性の向上=田中秀明/廉宗淳

IT総合戦略本部・官民データ活用推進戦略会議合同会議であいさつする安倍晋三首相(右から2人目)
IT総合戦略本部・官民データ活用推進戦略会議合同会議であいさつする安倍晋三首相(右から2人目)

 改革の出発点となったのが2000年に制定された高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(IT基本法)であり、その推進母体がIT総合戦略本部である。以後具体化のため、30を超える会議体が設置されている。また、多くの計画が策定され、第2次安倍政権でも、世界最先端IT国家創造宣言など20を超える計画や指針が策定されている。

 こうした政府文書には方針や計画ばかりが書かれており、問題の分析がほとんどない。例えば、03年に導入された住民基本台帳カード(市町村などが発行する個人の住所、氏名、生年月日、住民コードなどが記録されたICカード)は、15年末に新規発行が終了したが、なぜ普及しなかったのか。いつの間にか、その役割がマイナンバーカードに変わったが、その普及率もいまだ13%程度にとどまる。

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