米中摩擦でセンチメント悪化に要警戒=足立正道
米中間の貿易摩擦が再燃した。昨年から本格化した両国間のあつれき(新冷戦)は、11月末の首脳会談を経て停戦状態となっていたが、トランプ大統領が今年5月5日に突如ツイッターで関税引き上げ宣言をしたことで、状況は大きく変わった。市場のコンセンサスは「5月末の通商交渉合意もあり得る」といった楽観的なものであっただけに、市場が受けたショックは大きかった。
ただ、交渉自体が決裂したわけではなく、トランプ大統領は6月28~29日に大阪で開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会議で、習近平国家主席と会談すると述べている。市場では「これ以上の関係悪化はない」との見方が依然として有力だ。万が一、事態が悪化しても米連邦準備制度理事会(FRB)や主要国の中央銀行が利下げ・緩和をするだろうとの期待もあり、欧米株価の下落は今のところ限定的になっている。
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週刊エコノミスト
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