消費増税後に内外需総崩れのリスク=斎藤太郎
5月20日に内閣府が公表した2019年1~3月期のGDP(国内総生産)1次速報では、実質GDPが前期比年率2.1%増となり、ほぼゼロ成長とされていた事前の市場予想を大きく上回った。ただし、高成長の理由は国内需要の低迷を反映した輸入の大幅な落ち込みと最終需要の弱さに起因する民間在庫の積み上がりで、内容は悪い。景気は18年度末にかけて悪化したと判断される。
輸出、生産が大きく減少しているにもかかわらず、日本経済全体の落ち込みが回避されているのは、個人消費、設備投資などの国内需要が一定の底堅さを維持しているためだ。1~3月期は外需が前期比で大幅なプラスとなる一方、国内需要はほぼ横ばいにとどまったが、四半期ごとのブレをならすために前年同期比で見ると、18年7~9月期以降は外需のマイナスを国内需要のプラスがカバーする形となっている(図1)。
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週刊エコノミスト
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