相関強まる米大統領支持率と株価=渡辺浩志
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米国の株価とトランプ大統領の支持率との連動性が高まってきた(図)。米国では家計金融資産の約半分を株式や投資信託が占めているため、株価が景況感や消費行動に強く影響する傾向がある。ここへ来て支持率への影響まで強まってきたのは、有権者の株高政策への期待感が高まっていることの表れだろうか。
この点でいま一番に求められているのは、米中通商問題の決着だ。18年に始まった米中の摩擦は世界貿易を縮小させ、年末にかけての世界的な景気悪化と株価の大幅下落をもたらした。これがトランプ大統領の支持率急落と中国景気の深刻な悪化を招き、痛みに耐えかねた米中双方が歩み寄る格好となった。今年5月に入り、中国との交渉にいら立ったトランプ大統領が対中関税を引き上げ、中国が対抗措置を表明すると、株価は再び下落した。米中両国は失策を早めに改め、多少時間をかけてでも交渉をまとめることが得策といえる。
ところで、来年11月の米大統領選でトランプ大統領が再選するには、どれほどの株高が必要なのか。民主党候補との一騎打ちとなるなら、トランプ大統領はそれまでに自身の支持率を50%超にまで高める必要がある。NYダウ平均株価を1カ月先行させて、米世論調査サイトが各種調査を独自に再集計して日々公表している支持率と並べてみると、1000ドルの上昇で支持率がおよそ1ポイント上昇する関係がみられる。
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週刊エコノミスト
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