「栄一は今の日本にめちゃくちゃ怒ると思います」 高祖父の思想を受け継ぐ=渋沢健・コモンズ投信会長/746
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5年後に発行される新1万円札の肖像に渋沢栄一が決まった。明治維新後、新生日本の国力作りのため「第一国立銀行」など約500の企業の創立に携わった「日本の資本主義の父」。やしゃごの健氏が高祖父を語る。
(聞き手=山崎博史・ジャーナリスト)
── 渋沢栄一氏が新1万円札の肖像に決まりましたね。
渋沢 自分の高祖父ですからね、驚きましたよ。しかも、令和の元号発表の約1週間後のことで、新しい時代へのメッセージを感じました。1000円札の北里柴三郎さんはライフサイエンス、5000円札の津田梅子さんは女性を代表する方。そして栄一の3人は、サステナビリティー(持続可能性)のある社会を作るのに必要な研究・教育・実業を象徴するようで、スマートさを感じました。
特に、経済人がお札の肖像になるのは世界でも珍しい。いま資本主義に対し、世界中で格差社会の元凶として反発が広がる中、日本は最高額の紙幣の顔として「日本の資本主義の父」を選んだ。外国人が新1万円札を見て、この人だれ? となった時、「道徳経済合一説を唱えた人」と説明できる意味は大きいと思います。
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週刊エコノミスト
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