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「プライマリーケア」の発想なき地域医療構想=三原岳

 政府は現在、「地域医療構想」という医療提供体制改革を進めている。これは団塊の世代が75歳以上になる2025年を意識しつつ、在宅医療の普及や医療・介護連携など自宅での療養生活を支援するための改革を目指している。さらに、国際的に見ると病院の過剰なベッド(病床)数の削減につながる可能性があり、財政当局は医療費の適正化策として期待している。

 だが、世界的な医療提供体制改革の動向を俯瞰(ふかん)すると、日常的な疾病には「かかりつけ医」が対応する「プライマリーケア」体制の構築という共通点があり、この発想が日本の地域医療構想には見られない。本稿では、医療提供体制改革の中心に位置付けられる地域医療構想が、病院の病床数のコントロールなど「医療費の削減」という部分最適にとどまる危険性を指摘した上で、国民の生活を支えるプライマリーケアを制度として…

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