米長期金利が急低下 パウエルFRB議長が緩和示唆 米中貿易問題で景気後退懸念=杉崎弘一
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米国債利回りの低下が著しい。長期金利の指標となる米国債10年債利回りは6月3日、一時2.1%を下回り、1年9カ月ぶりの低水準となった。また、2年債利回りなど中期の金利低下が顕著で、短期金利との間でイールドカーブ(利回り曲線)が大きく逆イールド(長短金利の逆転)化している(図)。これは、市場が近い将来、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げするとの期待を織り込んでいるためである。
実際、パウエルFRB議長は6月4日の講演で、「米経済の動向を注視し、景気拡大を持続させるために我々は適切な行動をとる」と述べ、市場では利下げも辞さない姿勢であると受け止められた。パウエル議長も言及したように、足元の米国経済のリスクには、米中貿易問題の悪化がある。FRBは昨年12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)を最後に利上げを停止したが、今回の講演ではさらに一歩、緩和方向に転じることをにじませ…
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週刊エコノミスト
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