週刊エコノミスト Online 不動産コンサル長嶋修の一棟両断
増える空き家は新築建て過ぎのツケ/3
有料記事
高度経済成長真っただ中の1966年、都市部の住宅が足りないことを受けて「住宅建設計画法」が施行され、以降5年ごとに新築建設の目標を作って新築を量産してきた。「5年ごとの目標など甘い、単年度ごとに数値目標を作って国民の住宅需要に応えるべきだ」と野党が叫んでいた時代だ。2006年6月には同法に代わり「住生活基本法」が施行され、やはり5年ごとの「住生活基本計画」が策定されたが、住宅数の具体的数値目標は示されなかった。「新築住宅建設は景気対策の一環」と位置付けられていたためだ。
その結果、とめどない新築住宅建設と、その分増えてしまう空き家対策という、矛盾する二つの対策に私たちは追われているわけだ。今後空き家は増加し続け、15年後には空き家数は2000万戸を突破し、空き家率は30%に上ることが予測される。
残り803文字(全文1156文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める