戦争捕虜・不明者連れ戻し バイクデモの歴史、一区切り=中園明彦
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毎年5月最終月曜日は、米国の祝日の一つであるメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)である。戦没者を追悼しようと、各地でイベントが開催され、至る所で星条旗が掲げられる。ワシントンDCでは全米でも指折りの規模のメモリアルデー・パレードが開催され、多数の観光客が訪れる。しかし、ワシントンでは前日の日曜日、知る人ぞ知る大イベントが毎年開催されている。「ローリング・サンダー(Rolling Thunder)」だ。
ローリング・サンダーが始まったきっかけは、1987年にベトナム戦争の帰還兵4人がワシントンに集合し、政府に対し戦争捕虜と戦争行方不明者の連れ戻しを要求したことだった。翌年には呼びかけに応じた約2500人のオートバイのライダーらがワシントンに集まって走行デモを行った。規模は毎年拡大し、メモリアルデーの週末を目指し全米からハーレーダビッドソンを中心としたバイクが集結する。ライダーの数は50万人とも7…
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週刊エコノミスト
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