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自治体へサイバー攻撃 元のツールは国家機関製?=古本陽荘

疑惑の目が向けられている(NSA本部)(NSA資料より)
疑惑の目が向けられている(NSA本部)(NSA資料より)

 米東部メリーランド州の最大都市ボルティモアは建国期からある港町だ。人口は約60万人の中規模都市。かつては造船や鉄鋼で潤ったが、近年は産業が空洞化し、都市部の治安は悪化している。

 5月7日にボルティモア市のコンピューター・ネットワークがサイバー攻撃を受け、行政機能がまひした。パソコンの画面が真っ暗になり、元に戻すために「身代金」の振り込みを求めるメッセージが出てくる典型的な乗っ取り型の攻撃だった。

 市職員の電子メールのシステムはダウン。水道料金の徴収もできず、駐車違反で罰金を払おうにも払えないという始末。1カ月以上経過しても完全には復旧していない。市の推定では被害総額は1820万ドル(約20億円)に上る。

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