週刊エコノミスト OnlineワシントンDC

独自の“生態系”を持つ首都 政策をストーリーで語る意味=高井裕之

“生態系”の中心・ホワイトハウス(Bloomberg)
“生態系”の中心・ホワイトハウス(Bloomberg)

 米大陸発見者(コロンブス)と初代大統領という歴史的人物2人の名前を冠するワシントンDC(コロンビア特別区)は、1788年にメリーランド州、翌年にバージニア州から土地を割譲され米国の首都となった。人口は約68万人。一辺が10マイル(約16キロ)の南西地区が欠けているひし形で、コンパクトな街である。観光都市としても有名なワシントンは、ホワイトハウスを中心に、連邦政府機関が集中し、独自のエコシステム(相互依存型の生態系モデル)を形成している。

 当地には約400のシンクタンク、約8000人の弁護士と約1万人のロビイスト、約2400人のメディア関係者、175カ国の大使館、世界銀行や国際通貨基金(IMF)などの国際機関、業界団体、教育機関、民間企業などが、行政・立法・司法の三つの連邦政府機関を取り囲んで、エコシステムを形成している。人々はシステム内を往来しながらキャリアを積んでいく。今日セミナーなどで名刺交換した相手が、顧客や情報源であるに…

残り902文字(全文1323文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月16日・23日合併号

今こそ知りたい! 世界経済入門第1部 マクロ、国際政治編14 長短金利逆転でも景気堅調 「ジンクス」破る米国経済■桐山友一17 米大統領選 「二つの米国」の分断深く バイデン、トランプ氏拮抗■前嶋和弘18 貿易・投資 世界の分断とブロック化で「スローバリゼーション」進行■伊藤博敏20 金融政策 物価 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事