独自の“生態系”を持つ首都 政策をストーリーで語る意味=高井裕之
米大陸発見者(コロンブス)と初代大統領という歴史的人物2人の名前を冠するワシントンDC(コロンビア特別区)は、1788年にメリーランド州、翌年にバージニア州から土地を割譲され米国の首都となった。人口は約68万人。一辺が10マイル(約16キロ)の南西地区が欠けているひし形で、コンパクトな街である。観光都市としても有名なワシントンは、ホワイトハウスを中心に、連邦政府機関が集中し、独自のエコシステム(相互依存型の生態系モデル)を形成している。
当地には約400のシンクタンク、約8000人の弁護士と約1万人のロビイスト、約2400人のメディア関係者、175カ国の大使館、世界銀行や国際通貨基金(IMF)などの国際機関、業界団体、教育機関、民間企業などが、行政・立法・司法の三つの連邦政府機関を取り囲んで、エコシステムを形成している。人々はシステム内を往来しながらキャリアを積んでいく。今日セミナーなどで名刺交換した相手が、顧客や情報源であるに…
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週刊エコノミスト
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