週刊エコノミスト Online独眼経眼

病の発見遅れるトランプ依存型相場=藻谷俊介

(注)スフィンクス・インベストメント・リサーチによる季節調整値(出所)米国商務省
(注)スフィンクス・インベストメント・リサーチによる季節調整値(出所)米国商務省

 最近の世界株価の推移を見ていると、中国株が底堅いのに対し、米国株はだらだらと下げてきている。このコラムでも昨年から、中国経済は思われているほど弱くなく、むしろ米国経済が遅れて悪くなっていることを指摘してきたが、最近の米国内の景気報道を見ていると、ようやくそのことが少し理解されてきたようだ。自国の景気を過大評価して、中国との闘争の深みにはまってきたトランプ政権が、これから方向を修正するとすれば、まずは市場世論が強気論から離脱する必要がある。

 重要なのにカバーが少ないのが企業業績だ。実は米国にも日本の法人企業統計のような四半期の企業調査がある。もともとは製造業を調査していた統計であり、その後、卸売業、小売業、情報通信業、専門技術サービス業の4業種が加わって、現在は5業種になっている。まだ産業全体を示すには至っていないが、中小企業まで含めて「株式会社アメリカ」の全容が分かるのはこの統計だけである。

残り682文字(全文1084文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事