教養・歴史書評

『グリーンスパン 何でも知っている男』 評者・田代秀敏

著者 セバスチャン・マラビー(ジャーナリスト) 訳者 村井浩紀 日本経済新聞出版社 5800円

「巨人」の生涯とともに描く 米国金融システムの変貌

 アラン・グリーンスパン氏は、世界的な株価大暴落「ブラック・マンデー」が起きた1987年から米国でサブプライム住宅ローン危機が起きる前年の2006年まで、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)の議長を務め、世界屈指のエコノミストとして金融界に君臨した。その下で、金融資産は天文学的規模に膨張した。

 グリーンスパン氏は、彼がFRB議長であった19年間、米国のインフレが抑制され、実質GDP(国内総生産)成長率も3%強の水準で安定的に推移したことから、「マエストロ(巨匠)」と称された。しかし、その陰では米国の家計の債務が拡大し、シャドーバンキング(銀行以外の金融仲介業務)の債務が飛躍的に膨張した。それが07年のサブプライム住宅ローン危機、そして08年の米国発世界金融危機を引き起こし、グリーンスパ…

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