週刊エコノミスト Online闘論席

AI創作の今=池谷裕二

    撮影 中村琢磨
    撮影 中村琢磨

     人工知能(AI)に絵を描かせたり、作曲させたりといった芸術試行は珍しくはないが、一連のAI創作でも「執筆」は異質だ。今年2月に米国のオープンAI社が発表した言語生成モデル「GPT─2」の完全版が、悪用される懸念から非公開となったことが象徴的だ。

     従来AIが書いた文章は幾分ぎこちなく、文脈に一貫性がないきらいがあった。しかし、GPT─2は人と見まがうばかりの流暢(りゅうちょう)な文章を書く。小説の冒頭部分だけを与えれば、つじつまの合うように続きをつづり、原作とは異なるストーリーを完成させる。

     小説だけではない。まことしやかなフェイクニュースさえも自動生成する。悪用されればインターネットはフェイクニュースで氾濫し、瞬時に使用に堪えない代物になるだろう。同社は次作GPT─3の開発も手がけていると聞くが、AI自動執筆は便利さと有害性が隣り合わせだ。

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