片山杜秀
有料記事
通常国会が6月26日で閉会した。大した盛り上がりもなかった。
国民主権をかたちにするのが国会だ。国民の代表である代議員の議論は民主政治の花だ。ところが近年、国会の形骸化が甚だしい。でも、そのせいで日本の政治が停止しているようには見えない。ということは、政治の主たる場が国会と別の場所に移っているのだろう。
コーポラティズムという言葉がある。ものすごく乱暴に言うと、政府や与党や大企業経営者団体や巨大労働組合といった諸勢力が、国会という公共の場を形骸化させて、肝心なことはどこかで談合するのがコーポラティズムだ。経営者団体も労働組合も政府のちょうちん持ちをし、政府がまた経営者団体と労働組合の両方の御用を務める。言わば「相互的御用関係」によって成り立つのがコーポラティズムの国家というものである。
残り426文字(全文774文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める