「延命医療も、本人の満足を物差しにして」 終末期医療を支える=会田薫子・東京大学死生学特任教授/750
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高度で過剰な延命医療がかえって患者や家族を苦しめるなど、高齢者の終末期医療のあり方が問われている。NHKの特集番組でコメンテーターを務めるなど、最前線に詳しい研究者に聞く。
(聞き手=山崎博史・ジャーナリスト)
── 専門の臨床死生学とは?
会田 人生の最終段階における医療は、医療技術の進展によって、治療法の選択肢がいろいろある一方、患者さんやその家族の価値観が多様化しています。治療とケアの意思決定は、本人意思の尊重が基本ですが、どのようにして意思決定を行うかが切実な課題となっています。哲学・倫理学・医学・心理学などの学際的立場から、意思決定を支援することが臨床死生学の中心的な課題です。
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