教養・歴史書評

『資本市場とプリンシプル』 評者・池尾和人

    著者 佐藤隆文(国際財務報告基準財団トラスティ) 日本経済新聞出版社 2500円

    高質な資本市場実現へ 実績豊富な第一人者が提言

     最近行政処分を受けた某大手証券会社による情報漏えい問題では、当該情報は個別銘柄に関わるものではないことから法令で禁止されたインサイダー取引にはあたらないので、コンプライアンス上は問題がないとの認識が社内でみられたという。処分理由の記述の中で、金融庁も「本件行為は、法令等諸規則に違反する行為ではない」としている。

     にもかかわらず金融庁は、右のような認識は「コンプライアンスの本質を理解しておらず」と厳しく指弾している。要するに、資本市場が公正で効率的な取引の場であるためには、その参加者に対しては、「適法か違法か」というルール適合性の基準を超えて、実態に即して「望ましいか望ましくないか」という評価基準に基づく自己規律付けが求められるということである。

    残り795文字(全文1185文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    4月27日号

    未来産業の本命 新エネ、DX、デジタル通貨第1部 エネルギーとデジタルが生む革新14 脱炭素の大開拓時代 革命は日本から始まる ■浜田 健太郎/村田 晋一郎16 新エネ(1) 洋上風力 潜在力は原発500基分 ■宗 敦司19 (2) 送配電 「直流送電」で再エネ普及へ ■南野 彰24 (3) 蓄電池 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事