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教養・歴史 書評

公正な競争妨げる大手チェーンの寡占=永江朗

 札幌市のなにわ書房が6月21日、札幌地裁に破産を申請した。原因は書籍・雑誌の販売落ち込みと収益力低下といわれる。負債総額は2億9000万円。札幌市内では15年にもユニークなブックフェアで知られたくすみ書房が破産している。

 1950年創業のなにわ書房は、道内屈指の老舗として知られてきた。とりわけ地下鉄南北線大通駅に直結した店舗「リーブルなにわ」(71年開店)は、文芸書や人文書の品ぞろえが素晴らしく、市内のみならず道内各地からわざわざ訪れる人も少なくなかった。北海道の文化を支えたといっても過言ではない。

 しかし、90年代以降、ナショナルチェーンの大型店が市内中心部に次々と登場し、なにわ書房は客を奪われていった。2013年にはリーブルなにわも閉店。今回の破産申請時点で、なにわ書房は5店舗を展開していた。

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