経済・企業エコノミストリポート

取扱量伸び悩む豊洲市場 市場外流通の拡大でジリ貧状態 詰め合わせやノウハウ輸出に活路を=森本博行

    卸売場に並ぶマグロ(2018年10月)
    卸売場に並ぶマグロ(2018年10月)

     東京都の中央卸売市場「豊洲市場」の取扱量が振るわない。2018年10月に日本の食文化の象徴とされた「築地市場」から移転して半年以上が経過したが、この間の水産物取扱量は、移転前の前年同時期と比べ7%近く落ち込んでいる。都庁職員としておよそ20年にわたって市場に携わり、退職後も水産物流通に関わってきた立場から、豊洲市場の将来展望について考えてみたい。

     朝の豊洲市場をのぞいてみよう。午前6時ごろから仲卸売り場に姿を見せる買い出し人(小売店、飲食店の関係者)は、9時過ぎには減ってくる。10時を回ると、店じまいを始める仲卸業者も。買い出し人用の無料駐車スペースは、市場に用のない業者のトラックに占拠されている。行列のできる飲食店はごくわずか。移転前の築地市場にはまだ少なからずあったはずの活気が、ここにはない。

     延べ面積約51・7万平方メートル、敷地面積約40・7万平方メートルの巨大な施設は、1日当たり水産物2300トン、青果物1300トンの取扱量を想定してつくられている。実際には水産物で1日1200トン前後、青果物が900トン前後にとどまっていることを考えると、身の丈に合わない過剰ともいえる施設だ。

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