週刊エコノミスト Onlineエコノミストリポート

生産シェア5割超す「OPECプラス」 原油の価格支配力奪還で米国に対峙=岩間剛一

サウジとロシアが手を組む

 今年7月1日のオーストリア・ウィーンにおけるOPEC(石油輸出国機構)総会、それに続く、2日のロシアなど非OPEC加盟の主要産油国との閣僚会合で、OPEC加盟国に非OPECを含めた「OPECプラス」の枠組みを恒久化することで合意した。OPECは1970年代、世界の原油市場で大きな存在感を示したが、その後の非加盟国の産油量増大で威光が薄らいでいた。OPECプラスはすでに強力な協調減産を実施しており、かつてのOPECのように原油価格への影響力を増すことになるだろう。

 OPECプラスは、今年6月末に期限を迎えた協調減産について、今年7月から2020年3月まで9カ月延長することで合意し、OPEC加盟国による日量80万バレル、非OPEC加盟国による日量40万バレルの合計日量120万バレルの協調減産を延長することとしている。今年6月29日には、大阪で開かれたG20(主要20カ国・地域)首脳会議で、サウジアラビアのムハンマド皇太子とロシアのプーチン大統領による協調減産…

残り3065文字(全文3511文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事