シリコンサイクルに明るい兆し=藤代宏一
6月のグローバル製造業PMI(購買担当者景気指数、企業からみた景況感を示す経済指標)は49・4へと低下し、2012年夏以来の水準へと落ち込んだ。12年の夏といえば、欧州債務危機の真っただ中で、ギリシャの火事がイタリア、スペインへと飛び火していた時期だ。日本は円高不況に直面し、ドル・円が1ドル=80円を割り、日経平均は9000円の回復がやっとという状態だった。この指標でみれば、製造業セクターの風向きは、当時と同じくらい悪化しているということになる。
足元の景気減速の背景にあるのは半導体不況だ。上昇2年・下降2年の4年周期を持つシリコンサイクル(半導体売り上げの循環)は、17年後半をピークとする下降局面に位置しており、これに足並みをそろえるようにグローバル製造業PMIも17年末からほぼ一貫して低下している(図1)。過去のパターン通り、下降局面が2年程度で終われば、19年後半~20年前半ごろに底打ちのタイミングが到来し、世界経済が再加速すること…
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週刊エコノミスト
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